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1999年 秋


好きな道

日本人の舌は、世界の中で最も繊細であると自負する方も多いと思われます。
人間の舌に有る「味雷」(みらい)は、人種に関係無く生まれた時には、約900あり、歳を重ねるにつれ退化していくそうです。では、何故日本人は繊細な舌を持っているのでしょうか?
そこで、色々資料を探ってみますとフランス料理に使われる食材は約400種類、中国料理でさえ700種類だそうですが、日本料理は四季も手伝いナント1500種類も有るそうです。
子供の頃より、様々な食品を口にしてきた経験が脳に記憶されてきたのでしょう。
この素晴らしい日本の食材の代表、「お米」から滴り落ちる「しずく」を、楽しめる日本人に生まれた事を感謝したいと思います。

店主敬白


(リーフレット版「粋酔」の記事を原文のまま掲載しています。)


酒の豆知識
飲んでおいしい 知るともっとおいしい



11 「お燗」について
実りの秋を迎え全国の酒蔵では、仕込みのシーズンを間近に備え今年はどれだけ、山田錦を確保できるかと頭を悩まし奔走している蔵元も有るそうです。
冬から春にかけて、仕込んだ酒が夏を越し、熟成されたお酒が出荷されています。
今回は、その熟成せれたお酒を美味しくいただく「お燗」についてお話しします。

お燗酒と言うと冷して飲まれるお酒に比べレベルの低いお酒とのイメージを、お持ちの方も多いと思いますが、決していそうではなく、温める事により、本来持っているそのお酒の質が出る為、冷して飲むお酒よりも味や旨味の有るお酒も多いのです。
良く店頭などでも「吟醸酒は、お燗をしたらもったいないのでしょう?」とお尋ねになる方もおられますが、そんな事はなく、自由気ままに楽しめば宜しいと思います。
おまり熱くしない、ぬる燗程度に燗をつけるとおいしいもので、燗がさめ冷えた時に又、吟嬢香がほのかに立ちあがりそれもまた、一献楽しいものです。
中にはお燗に向く大吟醸も、近年は意欲的に設計されております。
特に最近は、利き酒会などでもお燗酒のコーナーを設け沢山の人が真剣に利き酒をしているところを見ると、燗酒を愛するかたの多さに驚かせられます。
一つ言える事は「生酒」だけは、せっかくフレッシュなのですから、そのまま飲んでいただきたいと思います。

一昔前は何処の料理屋さんも、「お燗番さん」と呼ばれるお酒の管理ををする人がいました。
お客さんの好みの温度にお燗をつける言わば職人さんとでも言うのでしょうか?
日向燗・人肌燗・ぬる燗・上燗・熱燗・とびきり燗などと、様々な呼び名があるように温度によって微妙に味わいが違うお燗、それほどお燗とは奥がふかく、楽しい飲み物なのです。
秋を迎え「燗上がり」とか「秋あがり」などと呼ばれる熟成されたお酒に燗をつけ、秋の味覚とともにおたのしみ下さい。

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